好きな車のこと

車にまつわる思ったことや経験などを綴っております!(^^)

車の安全性

話によるとドライバーは11年に一度は事故を経験するというデーターがあるそうです。実際に私の身近な方で側面衝突で一人は命を落とされ、一人は下半身に重度の障害を受け一生車椅子の生活をされることになりました。世界的に安全性能の向上に対し各自動車メーカーは努力されていると思いますが、その意識は国レベルで今でも差を感じています。「いい車とは」で語らせて頂いたドイツ車と日本車との違いについて再度その意識に差があることを申し上げたいと思います。今回は、その構造上余裕が少ない側面衝突対応についてです。一例ですが、現在所有している15年前のアウディA4は、その対応において相当に意識され造られていることが伝わってくるものです。重い重厚なドアはドイツ車の定番ですが、ズシンとくる音とその感触は明らかに頑丈さが伝わってくるものです。デザイン上、外側からはわかりませんが、内側から中央の柱(Bピラー)を見ると明らかに太く、それに対してドアは最近の軽自動車などよりも小ぶりなもので衝突時の安全を意図したものだと感じるものです。

    

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BMWなどはドアの内側下端に衝突時にドアが室内へ引き込まれないようにフックが装備されていました。この辺も安全性へのこだわりが、にじみ出ていると思うところです。ではなぜドイツ車が安全性に対して意識が高いのかは、アウトバーンを代表する交通環境が影響するところではありますが、ドイツは宇宙開発事業、電子機器、バイオなどの最先端分野よりも車を含む中間産業に昔から力を入れ続けている背景があります。その予算の規模は日本が国産車メーカーに行う金額の数十倍とも言われているものでドイツ政府の巨額の資金が自動車開発に使われており、その国の威信、想いが車に反映されているのだと思います。私は日本の技術は素晴らしいものがあると思っていますが、その技術の表現、反映の仕方については疑問を持っているというのが、正直なところです。日本は運転支援システムやEVなどの開発普及において世界をリードしているイメージがあるだけに残念に思うところです。

      

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日本で定められている乗用車の衝突安全基準は前面衝突50km、側面衝突50kmが製造販売する上での満たす基準になります。これは国によって違いがあり、米国では前面衝突48km、側面衝突54km、欧州では前面衝突56km、側面衝突50kmが衝突安全性能の基準値となっています。

     

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前面衝突に関しては欧州基準値が高く、側面衝突に関しては米国基準値が高いことがわかります。また前述の衝突安全基準とは別に各国の民間団体がメーカー試験とは別に衝突実験を実施しています。日本ではJ‐NCAP、前面衝突フルラップ:55km、前面衝突オフセット:64km、側面衝突55km。北米=NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)は、前面衝突フルラップ:56km、側面衝突62km、前面衝突オフセット:64km+スモールオフセット追加、側面衝突50km、後方追突32km。そして欧州=Euro‐NCAPは、前面衝突オフセット:64km、側面衝突50km、側面ポール衝突29kmです。

     

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私が気になったのは、側面衝突の基準においてJ‐NCAPが55km、Euro‐NCAPが50kmというところです。建前上は日本の環境を考慮した独自の基準だと言われると思いますが、基準に関しては意識されたと思います。一見、J‐NCAPの基準が厳しいと見えるこの部分ですが、衝突させる質量については、あまり表になっていませんでした。J‐NCAPは950KgでEuro‐NCAPは1,300Kgです。950Kgというのはどこからきたのでしょうか。私が不信に感じたところです。950Kgは近年の軽自動車のハイトワゴン並ですが、この辺の基準においても日本の自動車メーカーとの忖度があったのではないかと個人的に疑ってしまったところです。そうなると時速55kmの根拠も疑わしくなるものです。個人的にこの試験条件には疑問を感じるところでした。そしてなぜか平成30年度からEuro-NCAPと同基準の1,300Kgに変更されました。なぜでしょうか。ユーザーから疑問の声が打ちあがったからでしょうか。

 

実際の数字にすると以下になります。

●車重950Kgで時速55㎞の場合
 1/2 × 950kg × (55km)2 ≒ 110,870J
●車重1,300Kgで時速50㎞の場合
 1/2 × 1,300kg × (50km)2 ≒ 125,386J
               差は14,516J

 

これは、あらためて申し上げますが安全と車造りへの思いの差なのだと思います。ドイツの自動車メーカーは、ユーザーニーズを超えて自社の思想、考えを持ち製品に反映されているのに対して、日本の自動車メーカーは、マーケットに迎合した車造りに徹している違いです。きめ細かくお客様のニーズに対応することは、ある意味において感心するところですが、安全に対してメーカー都合の表現や変更などは、残念に思うところです。日本車は、輸出されています。でも国内仕様と輸出仕様の安全対策などは、どうなっていますか。私は日本の自動車メーカーに就職し工場実習で、同じ車種でありながら、その違いを目の当たりにした経験があります。工場設備についたEC、北米、国内のランプ表示の指示に従って部品の取り付け作業をしておりました。違いは交通法規に関連するものではなく、安全対策に対するものです。日本車は輸出仕様と国内仕様は別物…でも日本の交通環境に合わせた適切な仕様になっていますと言い訳をするのでしょうか…私は海外の運転経験はありますが、一部のアウトバーンなどの特殊な道路は別として、日本と特別変わった印象を持ったことはありません。私は日本車の安全性についてはユーザーに対して調子よく合わせているようにしか思えないのです。最近ある日本車メーカーが軽自動車の衝突テストを公開していましたが、メーカーはどういう意図があったのでしょうか。軽自動車は安全になってきたとは言え、このような衝撃がありますから気をつけて下さいという注意喚起だったのでしょうか。もしもそうなら私は納得します。私は、あの映像を見て乗員へ伝わるであろう衝撃の強さをあらためて感じました。また運転支援システムの普及推進などは感心しますが、せっかくのその制御も車のバランスや強度など基本性能が確保された上で生かされるものだと思っています。私は輸入車ディーラーでお勤めされている方々には、そのメーカーと商品に対する理解をもっともっと高めて頂きたいと思っています。そして自信をもってお客様へ伝えて頂きたいと思います。インポーターの方々には、昔のボルボの広告ではありませんが、安全性が伝わる告知をメーカーに働きかけて行うべきだと考えます。そんなことは特別なことではなく当たり前で告知するものではないとお言葉を返されそうですが、ユーザーにそのことを伝えることはとても大事だと思います。それはハンドルを握る多くのユーザーの方々に真実がまだまだ伝わっていないと感じるからです。業界は違いますが、近年売上が大幅に落ち込んだうどんチェーン店の丸亀製麺の実績がV字回復しましたが、そこにヒントがあるように思いました。各お店で粉から作るこだわりは、丸亀製麺が思っていたほど市場に伝わっていなかったことがわかり、そこの告知をお客様へあらためて発信し多くのお客様が再びお店に訪れるようになったことです。ドイツメーカーもあらためて告知訴求を行うべきだと思います。日本の自動車メーカーには、安全に対する根本的な考えを再度改め自身の気づきで変わってほしいと願います。そしてドイツメーカーには模範となる車造りを自負されているのであれば、世の自動車発展の為に、もっと影響を与えてほしいと思うところです。

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