好きな車のこと

車にまつわる思ったことや経験などを綴っております!(^^)

ポルシェ968

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 ルビーストーンレッドの1992年モデル 968カブリオレ…この車は、12年ほど前まで趣味の車として乗っていました。本当はカブリオレではなく、走りに特化したクラブスポーツに乗るつもりでした。当初はFRポルシェを6速マニュアルで味わうことをイメージしていましたが、カブリオレ実車を目にしたら、これはこれで良いなと思い当時購入しました。

 

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ポルシェというとリアエンジンの911のイメージがありますが、968(1991年~1995年生産)はポルシェが1970年代に新世代ポルシェとして将来リアエンジン車の911に代わることも視野に入れて開発された924(1975年登場)を系譜とする車。スポーツカーにこだわりを持ち続けたポルシェが新世代ポルシェを目指して、どのようにFRを表現してきたかは、とても興味があるところでした。前後重量配分を最適化させるために、エンジンとトランスミッションを分離するトランスアクスルを採用したところからもその本気度が伺えます。トランスアクスルは日本車の採用例では、GT-R(R35)、レクサスLF-Aがありますね。968の原型となる924が登場することを世に告知され始めた当時の自動車専門誌のバックナンバーから、FRポルシェに対する思いを知ろうと読み漁っていたことを思い出します。

    

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ポルシェFRスポーツ 924から944へ…そして最終モデルとなった968。並行してポルシェのフラッグシップモデルとして位置づけられたV8エンジン搭載のFRモデル928も新しいポルシェの方向性を示した興味深いモデルでした。どちらも当時商業的には、厳しいものでしたがスポーツカーメーカーが造るFRスポーツは、私にとっては気になる存在でした。

    

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968は社内デザイナーであったハーム ラガーイによるデザインでフロントセクションは同時代を代表するスーパーモデルであった959からの影響を感じさせると同時に、後に発表される新型911(993)のデザインの先取りでもありました。見た目においてポルシェファミリーを意図的に狙ったデザインでした。

     

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944時代のターボモデルなどは、当時世界一のハンドリングマシンと称され日本のスポーツモデルのベンチマークとして開発の指標となりました。

  

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プアマンズポルシェなどと言われたSA22CFC3SRX-7は、私も所有経験がありますが、968は、それと比べるとそのルックスからは想像できない、さらに硬派なスポーツカーで、こだわりを求めた車であったことは乗ってみて感じたところです。乗り手に迎合したところが感じられない、これがポルシェのFRスポーツ、好きなら乗りなさいと言う主張が伝わるものでした。「我が道を行く」という姿勢はドイツ車全般に感じるところですが、スポーツカーの領域となると、その思いはさらに深まるようです。

                            

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968を乗り始めて、しばらくBMWのM3(E36)もありましたが、その2台との比較で私自身の感想を申し上げると968はスポーツカーで、M3はグランド ツーリングカーの範疇の車であったと思うものです。M3は321馬力の6速マニュアル、968は240馬力のカブリオレATモデルでしたが、基本の素性からドライバーに伝わるものは、それぞれの車の主張(スポーツカーとGTカー)がしっかりと明確であると実感するものでした。エンジンフィール(968はトルクフルでコントロール性が高い)ハンドリング(968は路面からのコンタクトがより明快)、ブレーキ(968の圧倒的な剛性感がある上でブレーキコントロール性が高い)、いわゆる「走る曲がる止まる」の性能領域においてポルシェが求める走りの限界性能(コントロール性能)の高さを感じる車であったことは、あらためてポルシェのスポーツカーに注ぐ情熱が伝わるものでした。それと比較するとM3は寛容で穏やかな印象のGTカーとしての素性の高さが魅力に思える車でした。968のクラブスポーツであったなら、その主張は、より明快なものであったと思います。

    

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968に乗って思ったことは、ポルシェは一時期本気でRRからFRへ変わろうとしていたのだろうという思いが伝わってきたこと、そして素晴らしい性能なだけに、その思いが市場にもっと伝わるよう受け入れやすい(受容性が高い時に)メッセージを発信することができなかったのか少し悔やまれる気がしたことです。

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