久しぶりに新車を買いました。新車は15年ぶりです…今回選んだのはフォルクスワーゲンのPOLO GTI。
現行POLOは2018年デビューしましたが、フォルクスワーゲンの最上級モデルであるアルテオンと同じMQBモジュールを採用したモデルとなり、クラス最高性能のボディを手に入れたモデルとなりました。
車幅は前モデル比左右に3.25センチ大きくなりワイド感のある見た目です。3ナンバーになったボディ(全幅1750㎜)は一見ゴルフかと思わせる雰囲気ですが、長さは4075㎜でホンダ フィットよりもわずか8センチ長い大きさに収まっており、真横からの眺めはコンパクトモデルであることを感じます。
今回は日々の足として使うことも考慮し、日常の使い勝手と走りの楽しさの両立を考え辿りついた車です。フォルクスワーゲンのGTIシリーズは伝統のゴルフ GTIを筆頭にPOLOとUPに設定されていますが、現行モデルの中で伝統的なGTIらしさを踏襲しているという点ではPOLOだと感じました。より軽快さが魅力のUP GTIとは相当に迷いましたが…
初代ゴルフの大きさが現在のUPに近い大きさ、そしてゴルフ4あたりが、現在のPOLOに近い大きさですが、現在のゴルフはスポーティさのバランスの点でやや大きいというのが私の感想です。POLOの存在によりゴルフは高速ツーリング性能を高めたGTカーとしての価値をより高めた車だと思います。
POLO GTIは4メートルほどのボディにゴルフと同じ排気量の2リッターエンジンを搭載し車重は1290キロ…その走りのバランスは現行のフォルクスワーゲンGTIシリーズの中では一番スポーツ性を感じるものです。ピークパワーはゴルフよりも抑えられていますが、ゴルフよりも約100キロ軽量なボディが走りにスパルタンさを与えています。エンジンのフィーリングは現行のシビックタイプRを思い出させるアクセルレスポンスとツキの良さを感じるもので鼓動も似ています。シビックタイプRにはしばらく乗る機会があり、その素性を知る機会がありましたが、POLOのGTIがここまでスポーティな車だとは思いませんでした。シビックタイプRのパワーは320馬力でPOLOとは100馬力以上の違いはありますが、同じターボならではのトルク感とシビックよりも100キロ軽いボディとのバランスで体感する感触はどこか共通したものを感じます。また排気サウンドについてはシビックタイプRと比べて特にスポーツモードの音はより響きがあり鼓動がはっきりと伝わるものです。DSG減速時の派手な中ぶかしも、その外観からは想像できないもので、そのギャップがこの車の魅力の一つなのかもしれません。30年ほど前にランチャテーマ832(フェラーリ308のV8 3Lエンジン搭載)という、おとなしいセダンボディにフェラーリエンジンを載せた車がありましたが、そのギャップは、それを少しばかり思い出させるものです。昔832を運転した時の印象が蘇りました。排気音だけで言えば、以前乗っていたボクスターよりもスポーツを感じさせるサウンドです。実際の走りは、リアの接地性が良い印象でハイパワー前輪駆動でも路面にパワーが伝わる印象はFF320馬力のシビックの時に感じた足の良さを思い出します。
ベーシックなPOLOのバッテリーはエンジンルーム内に収まりますが、GTIはスペース的なこともありリアのトランクルーム下へ移動しています。リアでしかも重心が低い位置に設置されたことは、運動性能にも寄与しているものです。乗ってみて…UP、POLO、GOLF…3つのGTIの存在は幅広いスポーツニーズに対応した結果、POLO GTIは独自の個性として、よりスポーツへ進化したのだと思います。