30年以上前、初めて訪れたメルセデスベンツ ミュージアムに感動したことは、昨日のことのようです。
1961年に開館した当時のミュージアムは、2006年5月に新しくなり、よりモダンな現代のメルセデスを感じさせる雰囲気ですが、昔のミュージアムは、よりメルセデスさを感じさせてくれる印象があったと思います。当時の写真が行方不明でご紹介できないのが残念ですが…
私が当時感動したのは、ドアマンの方でした。
例えば、お客様にホテルの第一印象を与えるのは、ドアマンとベルボーイ&ベルガールだったりしますが、当時のメルセデス ミュージアムでは、ドアマンの方が凛々しくお出迎えをしてくれ、メルセデスの第一印象を高めていたように思います。
高さのある大きなドアをお客様が行きかう度に開けてくれる様は、まさに凛としたメルセデスに相応しい雰囲気を周囲に与えているようでした。お客様のお出迎え、そしてお見送りは大事だとあらためて振り返ります。
その余韻を感じながらミュージアムへ入ると、数々の歴代メルセデスが迎えてくれました。
特に私の印象に残ったのは、昭和7年に昭和天皇即位後の御料車として使われたメルセデス ベンツ 770。
当時は既にイギリスとの同盟関係が失われており、満州事変への対応をめぐってイギリスやアメリカ合衆国などの自動車先進国との関係が悪化していた頃でメルセデス ベンツは他国の国家首脳専用車としても導入されていた実績が高評価を受けたことから、御料車としてドイツ車で初めて導入された車でした。
以前のミュージアムに展示された御料車の背景には和を演出した日の丸があったことも誇らしげなものでした。
私は当時、他のミュージアムを見た後だったこともあり、その違いに、さすがメルセデスと感じたことを思い出します。
現在のミュージアムは、その当時とは違った近代的な印象でしたが、館内説明用のレシーバーを首からかけるメルセデスのホルダーは、帰りにお土産で頂けるもので、ちょっとした、おもてなしを感じるものでした。
こんなところのメルセデスブランドを意識させる演出にも、あらためて感心しました。